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B型肝炎訴訟、どんな資料や書類を用意すればいい?

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B型肝炎訴訟を提訴するには、幼少時に予防接種等でHBVに感染したことを証明する書類や資料が必要です。

それらの資料を提訴とともに提出すると、裁判所で慎重に検証されます。
そして原告のHBV感染が、国の責任に帰すべき案件かどうかを審議するのです。

実際にどんな資料が必要になるかはケースバイケースなのですが、場合によっては必要な資料を用意できないということもあります。

提訴にはどんな資料が必要なのか?それを用意できないときはどうするか?その二点について考えてみます。

B型肝炎訴訟に必要な、基本的資料とは?

一次感染によるB型肝炎訴訟では、基本的に次の各項目を証明できる資料が必要です。
  • (1)HBVに持続感染していること
  • (2)満7歳になるまでに集団予防接種等を受けていること
  • (3)集団予防接種等で、注射器の連続使用があったこと
  • (4)母子感染ではないこと
  • (5)集団予防接種等以外の感染原因がないこと

母子感染の場合、または感染者の相続人が提訴する場合には、また別の資料が必要になるのですが、基本となるのはこの5つです。

まず(1)はHBVの持続感染を示す検査結果です。
保健所でも検査を受けられ、自治体によっては検査料無料というところもあります。

(2)は満7歳までに集団予防接種等を受けたことを証明する資料で、母子健康手帳や市町村に保存されている予防接種台帳が該当します。
HBVは免疫機能が未成熟な6歳頃までに感染すると持続感染化しやすいことから、こうした条件が設けられています。

(3)は予防接種等を受けた時期を特定する資料です。
これも(2)と同様、母子健康手帳や予防接種台帳が該当しますが、この他に「陳述書」等によっても証明することができます。

(4)は母親がHBVに感染していないことを示す資料で、母親の血液検査結果などが該当します。

(5)は過去に受けた医療行為のカルテなどが該当します。

これらはいずれも「基本中の基本」です。
状況によっては、さらに追加資料が必要になる場合があります。

記録や資料が残っていないときはどうする?

B型肝炎訴訟はHBV感染について国の責任を限定的に認めたものですので、すべての感染者に対して給付金が支給されるわけではありません。
そのために「訴訟」という形式をとり、証拠を子細に検証したうえで判断がなされる仕組みになっています。
その判断材料として、前項で挙げたさまざまな資料が必要とされるのです。

しかしこれらの資料は、実は簡単に揃うものではありません。
役所や医療機関などに出向く必要がありますし、記録が残っていない場合もあります。
また入手不可能ということもあるでしょう。

たとえば(4)の資料などは、母親に血液検査を受けてもらうことで証明することができます。
母親がHBV陰性であれば「母子感染による感染ではない」ことが証明できるからです。

もっとも母親がすでに他界していたら、検査を受けることもできません。
しかし、このような場合でも対応策はあります。

母親が生前に医療機関を受診していて、血液検査を受けたことがあるなら、それを使用することができます。
また自分の兄や姉がいれば、そのうち一人でも持続感染者でない者がいれば、母子感染を否定する証拠になります。
これらの証拠がない場合でも、医学的な見地から母子感染ではないと認められる場合には、それが証拠として採用されることもあります。

B型肝炎訴訟は感染被害者の救済策

B型肝炎訴訟では国の責任範囲はあくまで限定的なものです。
そのためHBV感染が国の責任であったことを裏付ける資料は必須です。

ですが感染の時期はすでに数十年も前のことであり、必要な資料が手元に残っていないというケースは非常に多いでしょう。
そんな状況であっても、医学的な見地から国の責任が認められれば、給付対象となることもあります。

それはこの訴訟自体に「感染被害者の救済」という意味があるからです。

「書類が残っていないから、訴訟は無理だ」と諦めてしまうのは早計です。
たとえ資料がなくても、対応策が残されていることは多々あります。

諦めず、まず弁護士に相談することが第一です。

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