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事故後の回復が遅く退職を迫られそう。どうすべき?

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交通事故の損害賠償に含まれる休業補償。
事故によるケガのため、あるいは入通院のために仕事ができず、そのために減ったり途絶えたりした収入を補うものです。

一般的には、事故前の収入をベースに一日当たりの損害額を割り出して、それに完治して仕事に復帰するまでの日数をかけて算出します。

しかし、場合によっては仕事への復帰が長引き、そのため退職せざるを得ないことがあるかもしれません。

それが就職内定中の場合、休業補償はどうなるのでしょうか。また給与制ではないフリーランスや主婦、また無職の人はどのように設定されているのでしょうか。

それぞれについて確認していきましょう。

就職していなくても補償されるケースがある

必ずというわけではありませんが、ケガの状態や本人の状況によっては、就職していなくても休業補償が支払われることがあります。

平成14年に東京地裁が下した判決*がその好例です。具体的には以下のような内容です。

当時20代の男性が、ある会社から就職の正式決定を受けた後、事故に逢ったために、長期間の療養が必要となり、会社からの要請で退職せざるを得なくなってしまったという事案です。

この判決において、裁判所は、「求職活動をし再就職をするのに必要やむを得ない期間については、同社からの得べかりし収入をもって損害と認めるのが相当である。」として、退職後だけでなく治癒後までの休業損害を認めました。

しかし退職後の休業補償は「必ず認められる」というわけではありません。

ケガの状態や完治までの見込み日数によって事情は変わるでしょうし、退職に至るまでの経緯によっても、裁判所の判断は大きく異なってくるからです。

あくまでケースバイケースですので、もし自分の身に起きた場合には、まず弁護士に相談することをお勧めします。

(*=東京地裁判決 平成14年5月28日)

給与制でない人の休業損害はどう考える?

「固定給をもらっているサラリーマンではなく、漁業や農業、フリーランスの場合はどうやって計算するの?」

個人事業主が休業補償について考えるとき、真っ先に思い浮かぶ疑問です。
これらの仕事に携わる方々は、確かに「毎月一定額の収入がある」というわけではありません。

漁期、収穫期というのは限られていますし、常に同じ額の収入が約束されているわけでもありません。
漁業であれば不漁の年もあるでしょうし、農業であれば台風や水害によって、その年の収穫が壊滅的な打撃を受けることもあります。

また、組織に所属しないフリーランスの人は、収入の多いときと少ないときの差が大きくなりがちです。
こうした人たちが事故に遭ったときには、前年の確定申告などをもとに算出した事故前一年間の収入を365日で割って、一日当たりの休業損害額を算出することになっています。

無職の人の場合には基本的に休業損害は認められません。
しかし、就活中であったりすでに就職が決まっていたりという場合には、損害が認められることが通例です。
また学生の場合でアルバイトなど現実に収入を得ていたと認められるときには、休業損害が認定されます。

専業主婦の方は実際の収入こそありませんが、その労働は金銭的に評価できるものです。
ケガによって家事ができなければ、家族の誰かが負担しなくてはなりませんし、あるいは家政婦さんにお願いすることもあるでしょう。そうなれば当然、費用が発生します。つまり、事故のケガによる金銭的な損害と見ることができるのです。

さまざまな角度から捉えられる休業補償

「休業損害」「休業補償」というものは事故に遭ったことで被った損害の1つであり、このように被害者の状況によって多様に申し立てることができるものです。

しかし一般の人にとっては「どこまでが休業補償として認められるのか」という線引きが難しいでしょう。

そのため請求できる損害を気づかずに放置してしまったり、損害を感じながらも泣き寝入りしてしまったりというケースが、多々あるものと思われます。そんなことにならないためにも、ぜひ弁護士を活用することをおすすめします。

適正な損害額を算出したうえで、さらに交渉を有利に進めることができるはずです。

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