法律事務所オーセンスがお伝えする法律情報サイト運営会社情報

menu

刑事事件で示談が最優先される本当の理由

1454

文字の大きさを変更

「示談」とは、傷害や強制わいせつなどの「被害者がいる刑事事件」で、被害者と加害者が話し合いによって事件を解決する手段です。示談の成立のために加害者が被害者に対して金銭を支払って損害賠償し、和解に至るなどの方法がよくとられます。

被害者が被害届や告訴状の提出を取りやめる・提出した被害届などを取り下げるなどの場合は刑事事件とはならない場合もありますが、仮に刑事事件になってしまった場合でも示談の成立には大きな意味があります。

ここでは事件の発生から公訴・公判に至るまでの流れのなかで、どのタイミングで示談が成立すれば加害者側にどのようなメリットがあるのかについて簡単にご紹介していきます。

示談のタイミングについて

被害者のいる事件では、被害者が警察または検察官に対して被害届や告訴状を提出することにより「刑事事件」として認められる場合があります。

刑事事件は民事事件と異なり、当事者同士の和解によって問題を解決することはできません。しかし「そもそも刑事事件として認められない」とするならば検察からの起訴も行われず、当然裁判も行われないことになります。このため、もし事件が親告罪(告訴がなければ起訴ができない犯罪)の場合、示談によって被害者の許しを得られ、告訴状を取り下げてもらえることができれば起訴は避けられます。

また、検察が起訴・不起訴あるいは起訴猶予のいずれかを決定する際にも示談の成立は大きな影響を与えます。検察は被害の大きさや加害者の反省状況など総合的な状況から起訴・不起訴を決定するため、親告罪でない場合でも不起訴処分になる可能性が大幅に高められるのです。

示談成立による保釈、量刑の軽減などのメリットも

加害者が身柄を勾留されている間に示談が成立すれば、起訴されても保釈(拘置所からの解放)が認められる可能性が高くなります。

そして仮に示談交渉が長引き、裁判所で審判を受けることになっても示談をあきらめるべきではありません。裁判官が判決をくだす際、示談の成立は被告人(加害者)によって非常に有利な事情として認められ、量刑を軽減してもらえる可能性が高いからです。裁判所が量刑を決定する際に示談が成立していれば、本来実刑判決がくだされるところが執行猶予で済む可能性も考えられます。

示談金に相場はあるか?

示談の成立は被害者側の意思で決定します。

例えば、弁護士が「このような被害の場合、示談は示談金○○円くらいで成立しています」といった相場を提示したとしても、被害者側がそれに納得しなければ示談は成立しません。「お金で解決しようとしている」「誠意が感じられない」などと言われればそれまでですし、「世間がなんと言おうと、○○円はもらわなくては損害賠償してもらったことにならない」と主張する被害者もいるかもしれません。そういう意味では「示談金に相場はない」ということになります。

ただし、被害者側が原則として示談に応じる姿勢をみせ、示談金の交渉を行う段階までくれば、交渉にあたる弁護士などが「このような被害状況であれば、示談金はこれぐらいが妥当かと思われますがいかがですか?」と打診してみる金額には一応の相場があります。

とはいえ、例えば「痴漢行為」の場合でも、「迷惑防止条例違反」相当なのか「強制わいせつ罪」が成立しそうなのか、といった状況によって相場は大きく違ってきます。一律に「痴漢行為=およそ○○万円」などといった相場金額は頭に入れず、弁護士と相談して判断するべきでしょう。

被害者側の心情を十分に考慮することが重要

このように、刑事事件における示談には段階的に「そもそも刑事事件にしない」「不起訴とする」「量刑を軽減する」といったメリットがあり、加害者側はできるだけ早い段階で示談を成立させておきたいものです。

ただし、上記でも触れたように示談成立の可否は被害者側の意思ひとつにかかっています。単に相場以上の示談金を提示すればうまくまとまるといったものではありません。深い反省の色をみせ、誠意を持って最大限の償いをさせていただくといった姿勢で交渉にあたってください。

また示談を急ぐあまり、事件発生直後から当事者(加害者の家族など)が直接、しつこく示談を求めるといった姿勢は感心しません。「申し訳ないことをしたなどという反省はなく、ただ罪を軽くしたい一心なのか」と反感を持たれる可能性が高いでしょう。そういう意味では、示談交渉はこうした交渉の経験が豊富な弁護士などを代理に立てたほうが安心ではないでしょうか。

MENU