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相続人の居所が不明で、連絡がとれない

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亡くなった方の親、配偶者、子どもたちが健在であれば、遺産分割協議を行うことができます。

しかし亡くなった方の両親や兄弟姉妹、さらにその子どもたちにまで相続権が及ぶような場合には「相続人の居場所が判らない」ということも起こります。

付き合いが途絶えて所在が判らない、あるいは行方不明というケースもあるでしょう。また養子縁組などで誰に相続権があるのかわからない、という場合もあります。

そんなときにはどうすれば良いか?今いる相続人だけで遺産分配してはいけないのか?そうした相続人の所在がわからない場合について、考えてみましょう。

できる限りの手段で、すべての相続人に連絡を

まず、すべての相続人の同意がなければ、遺産分割協議は無効となります。ですから所在のわからない相続人がいたとしても、可能な限りの手段を使って連絡をとることが求められます。

「久しく付き合いが途絶えていて、所在が不明」「引越ししたらしいが、現住所を聞いていない」。こうした場合には住民票を追跡することで、転居先から現住所を知ることができる場合があります。

また養子縁組などで戸籍が複雑に入り組んでいる場合には、誰が相続権を持っているのかを見きわめる必要がありますが、これは一般の方には難しいことでしょう。いずれの場合もある程度の時間がかかりますので、弁護士に相談するのが近道です。

困ってしまうのは「住民票上の現住所はわかるのだが、そこに所在がない」。つまり行方不明になっている場合です。こうしたケースでは、個人で行方を捜し出すことはほとんど不可能です。

もちろん、本人の親兄弟や縁者に当たれば何かしらの情報は得られるかもしれませんし、それをもとに調査会社等に依頼して所在を捜すこともできるでしょう。ただしこうした調査は非常に時間がかかるものですし、また時間をかければ良いというものでもありません。

当然ながら、その間は遺産分割協議を行うことはできません。ですから本人の行方につながる手がかりがほとんどなく、見つけ出せる可能性も高くないという場合には、次にお話しする「不在者財産管理人の選任」または「失踪宣告」を考えたほうが良いかもしれません。

相続人がどうしても見つからない場合にすべきこと

手を尽くして相続人を捜してはみたが、どうしても見つけ出すことができない。そんな場合には「不在者財産管理人の選任」と「失踪宣告」という方法があります。

それぞれをご説明しましょう。まずは「不在者財産管理人の選任」からです。

不在者財産管理人というのは、所在の判らない相続人に代わってその財産……この場合は相続人が受け取るべき遺産を、管理する役目を負います。

つまりは相続人の代理人となるわけです。これは家庭裁判所に申し立て、選任してもらうことになります。これで、とりあえず所在不明の相続人の「代理人」が確保できました。

ところがこの代理人はあくまでも「財産を管理する」だけで、その財産を勝手に使ったり処分したりすることはできません。遺産をどのように分配するかを相談する遺産分割協議は「財産の処分」に当たりますから、不在者財産管理人にとっては越権行為に該当します。

そこで再び家庭裁判所に申し立てをして、この越権行為を行っても良いという許可を取ります。これは「不在者財産管理人の権限外行為の許可」という手続きです。この二つの段階を経て、遺産分割協議を行うことができます。

もう一つの「失踪宣告」ですが、これは本人が所在不明となってから7年が経過していないと、申し立てをすることができません。

また申し立てが認められると、本人は死亡したものとして扱われます。親族の感情やもろもろの手続き等のことを考えると、慎重に行うべきでしょう。こちらも申請先は家庭裁判所になります。

ある程度の時間は覚悟しておくことが必要

相続人捜しは、まず亡くなった方の戸籍を出発点として、配偶者、子、親、兄弟……と網を広げていきます。それらの相続人の中には何度も転居を繰り返している場合もありますから、その都度転居先を当たって所在を確認していきます。

こうした作業は専門家が行っても時間がかかるもので、さらに「行方不明者の追跡」となると、相当な時間がかかることが容易に想像できるでしょう。

また「不在者財産管理人の選任」も「失踪宣告」も、家庭裁判所に申し立てをしてから認められるまで、それぞれ数カ月または1年という時間がかかります。それだけの時間が見込まれるものだということは、あらかじめ知っておく必要があります。

また実際の手続きについては面倒なところも多く、そのすべてをここで説明することができません。詳しくは直接弁護士に相談してみましょう。

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