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遺言書に異議アリ! – 不服申し立てをする方法

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人が亡くなると、残された家族たちは悲しみに暮れながらも、いろいろな手続きを進めていかなくてはなりません。
その中で最も大変なのが遺産の分配でしょう。

もしも遺言書が残っていれば、その内容に沿って処理されます。ですが遺言によって自分への相続分が極端に少ない場合はどうでしょう?遺言どおりに分配しなくてはいけないのでしょうか?

もちろん、そんなことはありません。
遺言の分配に対して異議を述べること、不服申し立ての方法について解説します。

遺言の内容によっては不服申し立てができる

遺言というのは故人の最後の意思ですから、それは最大限尊重されるべきです。
また遺産をどのように分配するかは、残された相続人全員の同意のもとに決めることです。
ですから必ずしも全員が平等である必要はありませんし、少々不平等に見えても全員が納得する分配ができるのであれば、それで問題はないのです。

しかし、たとえ故人の意思だからといって、あまりに極端な遺産分配も考えものです。

たとえば若い頃に親との折り合いが悪く、さんざん親子喧嘩を繰り返したあげく家出同然に出て行ったままの息子に対して、父親が「あんな奴に財産は渡さん!」という感情を持つことは大いにあり得ます。そのまま遺言として書き残すこともあるでしょう。
ですがいくら親子の折り合いが悪かったとはいえ、このような遺産分配はあまりにも極端に過ぎます。

また遺産のすべてを赤の他人である愛人に相続させてしまったり、慈善団体に全額寄付するなどの遺言も、残された家族が気の毒ですし、到底納得できるものではないでしょう。

このように、適正とはいえない遺言に対しては、不服申し立てをすることができます。
ただし、まず真っ先に裁判所へというわけではありません。まずは相続人同士で話し合い、誰もが納得できる遺産分配を行うことが第一です。

故人との続柄によって認められている「遺留分」

遺産の分配に関しては、まず「法定相続分」というものが定められています。

これは遺産をどのように分配するかを定めたもので、配偶者と被相続人の子供が存命であれば、被相続人の配偶者が50%。残りの50%は子どもたちで分配することとされています。
子どもが一人ならばその取り分は遺産総額の50%ですし、二人ならばそれぞれ25%ずつということになります。
被相続人と配偶者はともに協力しながら財産を作り、残してきたのですから、配偶者の取り分が50%というのは誰もが納得できるところでしょう。

遺言が残されていない場合には、この法定相続分を基準としつつ、相続人同士で話し合いながら遺産分配を行います。

遺言がある場合は、基本的に遺言に沿った分配が行われます。
遺言はその内容について自由に書くことができますが、一方で遺言者がどのような分配を指定してもそれが現実にかなうというわけではありません。適正な分配ができるよう、各相続人には最低限の取り分を認める仕組みがあります。
それが「遺留分」と呼ばれるものです。

もしも遺言の内容が不平等で、他の相続人に比べて自分に分配される遺産が少なく、この遺留分を下回るようであれば、遺留分に届かない不足分を他の相続人に請求することができます。

これは「遺留分減殺請求」という手続きで、実際には相続人同士の話し合いによって不平等を解決するという方法をとります。

話し合いで解決できない場合には裁判所へ申し立て

相続人同士の話し合いを重ねても決着がつかない場合には、裁判所に調停を申し立てることになります。
ここでは裁判所が選んだ調停委員がそれぞれの話を聞き、そのうえで解決策を提案します。
それに納得できれば問題解決ですし、まだ不服だということであれば審判の申し立て、さらにその結果にも承服できなければ、不服申し立てという手続に移っていきます。

遺産相続は何かとトラブルになりやすいものです。

ことに遺産の額が大きかったり、相続人の人数が多かったりすると、なおさらでしょう。
ですがそのトラブルを解決できるのは、一にも二にも「当事者同士の話し合い」です。

調停や審判、さらには不服申し立てなど、裁判所にはいくつもの手続が用意されていますが、それらはすべて当事者同士の話し合いと相互理解、納得のいく解決を助けるためのものです。

遺産分配は一度トラブルに発展してしまうと、解決までに長い時間がかかります。そうなると感情的にもこじれてしまって、ますます解決が遠のいてしまうことも少なくありません。

相続トラブルを解決するには、まずお互いが話し合うことです。
そして誰もが納得できる解決策を引き出すためにはどうすれば良いかを、常に念頭に置いておくことが大切です。

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