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相続が「争族」とならないための遺言書の書き方

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「自分が亡くなった後、家族がもめないように遺言書を作っておきたい」

近年、こうした考えを持つ方が増えています。

不動産や証券など多くの資産を持つ方であれば、それが原因で家族が争うことなど考えたくないでしょう。
そのため生前に自分の資産を整理しておき、遺言状を残しておく。それはとても有意義なことです。

しかし、遺言には書き方・作り方にルールがあり、ポイントがあります。

それを知った上で作成しないと、せっかくの遺言が無効になったり、逆にトラブルの元になったりしますから要注意です。

遺言の最大のメリット

遺言の最大のメリットは、自分が関与できない死後の自分の資産について、自分自身の意思を残しておけるという点です。

あなたの資産は、自身が築いてきた、あるいは代々受け継いできた財産です。

ですから、あなたが亡くなった後、その資産をどのように分配するかということについては、あなたの意思が尊重されなくてはなりません。
その意思を残しておくのが遺言なのです。

とはいえ、どんな内容の遺言でも構わない、というわけではありません。

遺産の分配に極端な不公平があれば相続人の間で不満が起こるでしょうし、遺産の多くを企業や団体に寄付してしまうというような遺言では、遺族は納得できないでしょう。
これでは遺言がかえってトラブルの原因になってしまいます。

ですから遺言を作るときには、遺族となる人々が納得できる、不公平のない内容となるような配慮が大切です。
その上であなた自身の意思を反映したものにすれば、スムーズな遺産分配を行うことができるでしょう。

トラブルを生まない遺言を作るために

遺言の作成には、まず自分の資産をリストアップするところから始めます。

現金や預貯金、株券をはじめとする有価証券。土地建物といった不動産。自動車や美術品・骨董品などの動産。ゴルフクラブの会員権なども立派な財産です。また、住宅ローンのような負債も相続の対象になりますから、忘れてはいけません。
これらさまざまな財産をすべてリストアップし、その価値を算定していくのです。

しかし、現金や預貯金はともかく、有価証券は頻繁にその価値が変動しますし、不動産は評価方法によってその価値が変わったりもします。

美術品や骨董品にいたっては、その価値をどうやって算出すればよいのか、途方に暮れてしまうことでしょう。
多くの種類の資産を持つ人にとっては、これはかなり手間のかかる作業です。

ですから遺言を作成するときには、このリストアップの段階から専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
相続事案に強い弁護士であれば、こうした作業に慣れていますし、大事なポイントもよく知っています。
本来なら遺言に反映させるべき資産をうっかり見逃す…ということも、まずないでしょう。

さらに、リストアップした資産を相続人となる人々にどのように分配すれば良いか、適確なアドバイスをすることもできます。そうすることで、いらぬトラブルを避け、不平不満を生まない遺言を作ることができるのです。

遺言書には3つの形式がある

資産をリストアップして分配したら、それを遺言書として残すことになります。
ここでのポイントは「遺言書には3つの形式がある」ということです。

まず1つめは「自筆証書遺言」です。

その名の通り、遺言者自身が自筆で書き残す遺言書です。

ワープロ打ちしたものは無効とされますので、面倒でも手書きで作らなくてはなりません。書き上げたら封をして保管しておくだけです。
自分一人で、いつでも作ることができますし、訂正や書き直しも容易です。

反面、法律で定められた書式通りに書かないと無効とされることがありますし、果たして本当に本人が書いたものなのか、問題にされることもあります。
自宅に保管していると紛失や盗難の危険があるうえ、自分の死後に遺言書を発見してもらえない可能性も残ります。

2つめは「公正証書遺言」です。

これは、証人2名の立ち会いのもとで遺言を口述し、それを公証人が筆記して公正証書にすというものです。

証人が必要で費用も手間もかかり、遺言の内容が証人と公証人に知られてしまうという点はあるものの、遺言書の原本は公証役場に保管されますので、その内容が改竄(かいざん)される心配がありません。

3つめは「秘密証書遺言」です。

これは書式に沿って作った遺言書を封に入れて封印し、それを証人2名とともに公証役場に持ち込んで公証人と証人の署名を受ける、というものです。

遺言の内容を誰にも知られずに済み、ワープロやパソコンでも作成できますが、証人が必要であることや費用がかかること、遺言書そのものは自分自身で保管するために盗難・紛失の可能性が残ること、他人がその内容を作成したものが秘密証書遺言として利用されかねないことなどのデメリットがあります。

どの形式で遺言書を残すべきか、それは遺言者自身の意志や状況によって変わります。この点についても、弁護士とよく相談して決めると良いでしょう。

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